浜辺で拾うことができる様々な海洋ゴミ(プラスチック片、ペットボトル、漁網等)を素材に衣装を制作し、その素材となった海洋ゴミを拾った砂浜を舞台にして開催するファッションショーとそれに関連するプロジェクトです。2019年に鹿児島県日置市吹上町の吹上浜でゴミコレ吹上浜がスタートし、2019〜2021年の3年間で3回開催しております(年一回開催)。

 

 

 

企画の背景


やりたい事をしていたら結果的に地域の環境美化や活性化に繋がった


私、博多 和宏は鹿児島県日置市吹上町を拠点に様々な創作・表現活動を行っている芸術家です。普段は「情熱家」と肩書きを名乗っております(衣服作品の他、絵画、オブジェ、身体表現、作曲、イベントの企画運営等様々な活動を行っており、その全てが自身の情熱に起因する為)。
2009年〜2018年の10年間「芸術による地域振興・地域つくりの実践」を主旨とするプロジェクト「吹上ワンダーマップ」を自身の創作活動と並行して企画・運営しておりましたが、年々規模が大きくなり自身の創作活動がほとんど出来なくなってしまっていたので2018年開催の吹上ワンダーマップ10をもって一旦幕を下ろしました。そこから約1年間は地域とあまり関わることなく自身の創作に没頭しておりましたが、10年の間ワンダーマップを通して地域と深く関わってきたので、自身の創作だけを行う事に物足りなさを感じておりました。そんな時に環境問題をテーマにした作品制作の依頼を受け、様々な場所で出るゴミを素材にした衣服作品を複数点制作したのですが、その中で吹上浜で拾った海洋ゴミに対して素材としての魅力を感じ、海洋ゴミで作品を創作する事をメインの創作活動とするようになりました。

 環境問題を意識してのスタートプロジェクトではありませんでしたが、毎日浜辺でゴミを拾っていると自然と海洋汚染に対しても興味を持つようになり、また考えたり調べたりするようにもなりました。現在起きている様々な問題を理解するようになりましたが、自身の創作活動を通じてそれらを解決する事や周知する事を目的とはせずあくまでも自分が拾いたい、欲しい、必要だからゴミを拾うスタンスを守りました。やりたい事だったから無理なく継続でき、その結果が吹上浜の環境美化に繋がったと考えます。また、作品を発表するファッションショー(素材となる海洋ゴミを拾った吹上浜で開催)には多くの方にご来場いただきました。ゴミコレは意図せず吹上町のPRや活性化にも繋がり、再び自身の創作活動を通して吹上町と繋がる事ができたので、この創作活動は今後も自身のライフワークとして継続・拡大していきたいと考えております。

 

 

 

プロジェクトの展望


鑑賞者をプロジェクトに巻き込み、ワクワクを広げる!


2019年、2020年に開催したゴミコレ吹上浜の出演者や来場者からいただいた感想に「ゴミに対する見方が変わった」「ドレスになると思いながらゴミ拾いを行ったら、今までと違う意識でゴミ拾いが出来て楽しかった」「ゴミが綺麗なドレスになる様子を見ているとワクワクした」という感想をいただきました。これはゴミコレのコンセプトの一つである「(人々の)ゴミ拾いの欲求を高める」を実現できつつある現れだと思います。
ゴミ拾いがワクワクに繋がる=「ワクワクするゴミ拾い」をもっと多くの人に知っていただき、体験(参加)していただく為にゴミコレ プロジェクトを広げていきたいと考えます。

 

 

ワクワクするゴミ拾い!


ワクワクするゴミ拾いをより多くの人に行っていただく為に、カズヒロ ハカタ自身がつくる海洋ゴミのドレスのファッションショー以外にも参加者の目標や目的になる企画を考えています。海洋ゴミでドレスやアクセサリーを制作するワークショップや、海洋ゴミのドレスを公募してファッションショーを開催したり、海洋ゴミをファッションアイテムとして身につけているポートレートの展示会の開催等を考えております。また、もっと気軽に参加できる企画としては、拾ったゴミを何かに見立ててSNSに投稿する「海洋ゴミの見立てアート」の様なスマートフォンがあれば完結できるものも実施していきたいです。

 

 

 

プロジェクトの展望/ワクワクするゴミ拾いの先にあるもの


ゆるいSDGs


SDGs(持続可能な開発目標)が掲げられ、海洋汚染の問題や3R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))も人類共通の課題として取り組まなければならないとされていますが、そういった事を声高に叫び、強要する事は人々に息苦しさを与え、逆効果にもなりかねないと考えます。私自身もそうであったように、やりたい事をしていたらそれが結果的にSDGsに繋がったというくらいの軽さ、ゆるさ。言うなればゆるいSDGsの方が案外多くの人に受け入れられ、長く継続できる活動になるかもしれません。
 環境美化を目的とせず「楽しいから拾う」「(素材として)欲しいから拾う」「必要なものだけを拾う」というゴミコレ流のゴミ拾いはゆるいSDGsを多くの方に提案できる企画だと考えます。

 

ワクワクする地域・施設を一緒につくりましょう!


海洋ゴミのドレスのファッションショーや展示がきっかけになり、前記のような参加者がワクワクするゴミ拾いの活動が広がっていけば「海洋ゴミを活用した地域・施設の魅力の向上」にも繋がると考えます。当プロジェクトに「ワクワクをつくる」の可能性を感じていただければ、是非カズヒロ ハカタと一緒にゴミコレ プロジェクトに取り組んでいただければ幸いです。ご参加お待ちしております!!

 

 

 

コンセプト


ゴミ拾いの欲求を高める、海洋ゴミを活用して地域の魅力を高める


環境問題をテーマとして扱うと説教くさいものになりがちですが、できる限りそういったものを感じさせない作品を創作するように心がけております。ゴミから生まれた美しいドレスや面白い形を観ることで、「ゴミって素材として面白い!私もゴミを拾いたい!ゴミで何か作ってみたい!」と思っていただけるような、『ゴミ拾いの欲求を高める』をコンセプトに作品(衣装作品やショー)を創っております。また、本来は魅力を下げてしまう要因になるゴミ(不法投棄、漂流物)を魅力を高める為の素材として扱うことはマイナスをプラスにすることなので、それは地域活性の手法としても効果的と考えます。

 

 

 

テーマ


人と海の協働


海洋ゴミを素材とした作品を制作する際に私が拘っている点で、拾ってきた海洋ゴミを拾った時の状態のままで使用するというものがあります。人が着用するものなので洗浄は行いますが、切ったり割ったり着色したりはしません(連結する為に小さな穴は開けます)。これは海洋ゴミは「人と海の協働」の成果物であり、素材としての魅力が集約していると考えるからです。人が作った様々な製品が海の加工(浸食風化)によって魅力的な素材となるので、それらで構成される衣装作品にも自然と大きな魅力と力が宿ると確信しております。

 

 

海洋ゴミの素材としての魅力、服飾に向く素材


波の浸食や浜風による風化によって加工された海洋ゴミは独特の質感を持っています。私は海洋ゴミのことを「優しいプラスチック」と呼びます。海の力によって角やバリの取れたプラスチックゴミ(優しいプラスチック)は触り心地が良く、直接触れても肌を傷付けないので服飾向きの素材だと考えます。

 

 

プラスチックは悪ではない


プラスチックは軽く、形状変化も自由度が高く、しかも安価。現代の人々の生活に欠かすことのできない有益な素材です。それなのにレジ袋有料化、ストロー使用の不推奨等、人はプラスチックを悪者にしようとしがちですが、悪いのはプラスチックではなくそれを正しく使わない事です。また、砂浜で見ることのできるプラスチックゴミは海洋ゴミの中のほんの数%と言われており、多くのプラスチックゴミは凝集体となり海底に深く沈んでいます。それを問題視する声も上がっていますが、私はそれらが長い時を経て新たな資源になる可能性もあると考えます。

 

 

 

 

過去のゴミコレ


 

ゴミコレ吹上浜 2022 ゴミコレ吹上浜 2021 ゴミコレ吹上浜 2020 ゴミコレ吹上浜 2019
ゴミコレ吹上浜 2022 ゴミコレ吹上浜 2021 ゴミコレ吹上浜 2020 ゴミコレ吹上浜 2019

 

 

 

プロジェクト紹介

 

 

ORANGE ROOM

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